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冗談は顔だけのつもりだ

そうさ100%現実

【SMAP】SMAP×椎名林檎は、私が望んでいたはずの共演だった

 平成の幕開けとともに産み落とされた私は、SMAPのいる世界しか知らないわけで、もう2016年が終わるというのになんの実感も得られず、ただ25周年記念のベストアルバムが発売されたことの盛り上がりに浮足立っている。

 発売前の12月19日には、幼心にワクワクしながら作っていた、オリジナルのカセットテープに必ず選曲されていたアーティスト・椎名林檎が『SMAP×SMAP』に登場した。

 まさか今ここで自分の中にあり続けるふたつの音楽がぶつかるとは思わなくて、興奮したしうれしかったんだけど、見れば見るほど苦しくて、気付けば死ぬほど泣いていた。

 

 

 「青春の瞬き」は、ちょっとあまりにも今のSMAPにリンクしすぎていたと思う。

時よ止まれ 何ひとつ変わってはならないのさ

今正に僕ら目指していた場所へ辿り着いたんだ 

いつも何故か 気付いたときにはもう跡形も無い

伸ばす手の先で消え失せる物程欲しくなるんだ

  スマスマで紹介されていたように、この曲は林檎姉さんが以前結成していたバンド・東京事変が解散するときに、アンコールで歌われた曲だった。林檎姉さんはこの曲を栗山千明に楽曲提供したあと、セルフカバーをしてて、そんで時を経てSMAPと一緒に歌ったことで、歌詞のひとつひとつがさらに違う意味を持つことになった。

 単純に「すごい」という感想しかなくて、私が見続けてきた別次元の音楽が、こんなにしっくり交わることになろうとは、と驚いた。多分、事変もSMAPも、伸ばす手の先にあったものが同じなのかも。それがなんなのか、全然わかんないけど。

 

 事変の最後のコンサートでは、「青春の瞬き」のあとにもう1曲歌っていて。「透明人間」という曲なんだけど、これがとても最後にふさわしい、ピースフルで切ないナンバーなのよ。



毎日染まる空の短い季節

真っ直ぐに仰いだら夕闇も恐ろしくないよ

毎日染まる空の短い季節

手を叩いて数えたらもうじきに新しくなるよ

 すごく前向きなんだよね~この部分が。そんで最後は

またあなたに逢えるのを楽しみに待って

さようなら

 っていう。全然終わる感じがしない。「また逢おう」って言って別れる解散ライブ、“終わらない”って思えるうれしさと、希望を持ってしまう残酷さみたいなものがあって、この場にいたらどんな感情だったんだろうって想像しちゃう。

 個人的には、スマスマでこれを歌って欲しかったんだよなあ。しんみりするのもいいし、歌詞に込められたメッセージを読み解くものいいんだけど、5人に「また逢えるの楽しみにしてるから、じゃあね~」って手を振られたら、正直めちゃくちゃ楽になったのにって。待ち続ける苦しさなんか考えずに、「待ってるからね~」つって手を振れたのに。

 

 中居さんがビストロの最後、「死ぬわけじゃないから」みたいなことを言ってて、その翌日に聞いたもんだから、「ありあまる富」がめちゃくちゃに染みた。


 考えつく中で、今1番SMAPにリンクする林檎姉さんの曲はこれ。

もしも彼らが君の 何かを盗んだとして

それはくだらないものだよ

返して貰うまでもない筈

何故なら価値は 生命に従って付いてる

 命ある限り彼らは変わらないんだなと思えたし、そういうことを言いたかったんじゃないかなあの時、って思えた。

 「くだらない」「返して貰うまでもない」って言えるほどどうでもいいわけじゃないんだけど、入れ物がなくたって、形は変わらないんじゃないかなって、ぼんやり夜道で考えてた。

 曲の最後は

 ほらね君には富が溢れてる

 なんだけど、この“富”がファンだったらいいよねっていう。君には富が溢れてる。

 

 

  こんなにポエムっぽいことを書くつもりはなかったんだけども、思春期に林檎を聞いて育つとこうなるってことで、どうか許してほしい。

 とにかく今は、自分の人生に寄り添い続けていたふたつの音楽が、ついにぶつかって交わって、それが純粋にうれしいし、めちゃくちゃに切ない。だって、こんな形で出会うはずじゃなかったんだもん。