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【アイドル】1年半ぶりに見た私のアイドルについて〜「A.B.C-Z 2018 Love Battle Tour」横浜アリーナ公演にいってきました〜

 

  気がついたら2018年は一度もA.B.C-Zの現場に行っていなかった。(行ったのは「コインロッカー・ベイビーズ」1公演だけだった)

 5周年のお祭りを駆け抜けた達成感が大きかったのと、「ABC座」がジャニーズ伝説だったことが決定打となり、去年はA.B.C-Zからだいぶ気持ちが離れていた。そもそもジャニーズ事務所という組織やジャニーさんの演出に魅力を感じたことがない私は、ジャニーズの歴史を紐解いていく物語に興味がなく、A.B.C-Zが出ているとはいえ、すでに2回見ているものを3回見る気にはなれなかった。コンサートに行かなくても平気になってしまった時にこれだったので、えび座は申し込みすらしなかった。でも彼らを嫌いになりたくはなかったので、距離を置いて茶の間で5人を見ることにした。だけど、いつの間にかCDを買わなくなり、音楽番組や「少クラ」「ABChanZOO」すら見なくなってしまった。

 そんな状態と並行して、他に好きなことが見つかって夢中になり、Twitterのアカウントも引っ越し、心機一転超楽しい毎日を送っているので、特にA.B.C-Zが必要ない状態まできてしまった。そこでちょうどよく「LBT」の追加公演が決まり、会場が5周年のコンサートでも行った横浜アリーナだと聞いて、ひさしぶりにA.B.C-Zが見たくなった。去年のコンサートに行かなかったのは、私がずっと「A.B.C-Zには大きなステージに立ってほしい」と思っていることもあって、ホールコンサートをしている姿を見たくなかったんだと、密かな抵抗をしていたのだと、その時気がついた。私はアイドルに距離的な“親近感”など求めていないので、メンバーが豆粒になってもいいから大きな会場で踊り狂ってほしいし、ド派手な特攻で客席のオタクをビビらせてほしいのだ。A.B.C-Zにもずっとそれを願っている。

 

 A.B.C-Zに対して鬱屈した気持ちを抱えながら1年を過ごし、2019年一発目の現場として横浜アリーナに行った私は、結果としてめちゃくちゃ楽しかったし、またA.B.C-Zのコンサートに行きたいと思った。思えてよかった、とホッとした気持ちにもなった。私はまだ5人のことが大好きだし、五関さんのダンスにやられっぱなしだった。(うちわが売り切れて買えなかったことが本当に心残りだ)

 でも、なんとなくモヤモヤを感じる“粗”が見えてしまったことも確かだった。A.B.C-Zに心酔していたころは、なにか思うところがあっても「好き」の気持ちが上書きしてくれたけど、今回はそれがなかなかできなかった。「生歌にするならちゃんとボイトレしてほしいな」とか「もっと踊ってほしかったな」とか「でっかい装置を使ってるところが見たかったな」とか、彼らに対する“要求”のようなものがいくつか残ってしまって、そんな自分がすごく嫌だった。でももっと嫌だったのは、コンサートが終わって家に帰り、寝る前に携帯のデータフォルダを埋め尽くしている今の推しの写真を見て気持ちを落ち着かせていた自分。なんかもう悲しかった。「五関さんごめんなさい」と思いながらも、大好きな顔が無数に並んでいる画面を見て安心している自分に引いた。だけどそれが今の自分の正直な気持ちだということを、痛いほど理解した瞬間だった。

 

 もう一度言うが、A.B.C-Zのコンサートは本当に楽しかった。はしちゃんのかわいさに骨抜きにされたし、戸塚さんはやっぱり顔がいいし、河合ちゃんのおしゃべりはいつだっておもしろいし、五関さんは色気で人を殺せるんじゃないかと思ったし、塚ちゃんのキラキラオーラに魅了された。今年もコンサートツアーがあるなら行きたいな、と今は思っている。新曲もかっこよかったから、次は多分CDを買うと思う。濱口さんがプロデュースしてくれるドラマも気になる。だけどもう、彼らに熱中していた時の自分は戻ってこないかもしれないな、ということを薄っすらと感じてもいる。

 多分私は、今の推しとA.B.C-Zの現場が被ったら推しを優先してしまうし、CDリリースのタイミングで推しに関する出費があったらA.B.C-Zにお金を出すことを渋ってしまうし、同じ時間にドラマが放送されたら推しのドラマをリアルタイムで見てしまう。これはもう、「絶対」と言ってもいいかもしれない。A.B.C-Zの優先順位が完全に入れ替わってしまったことは認めざるを得ない。

 

 なにか結論が出た、もしくは出したくてこの文章を書いているわけではないので、1年半ぶりにA.B.C-Zを見たことで、自分の気持ちがどうなったかはわからない。だけど絶対に「文句を言うオタク」にはなりたくないので、それだけは自分と約束した。そんなクソダサイことをするならオタクとして死んだ方がマシ。もし万が一、A.B.C-Zへの気持ちが完全に途切れる時が来るのなら、私はなにも言わずに消える。

  ……と言いつつ、「現場」といえば「舞台」な今の推しだけでは「キャーーーーー!!!!!」とか「フゥーーーーー!!!!!」とか叫ぶ機会がまっっっっったくないので、コンサートには行かないと死ぬなと思った。だから私はまたA.B.C-Zのコンサートに行くと思う。暗いことばっか書いたけど、彼らが歌い踊る空間に行くと、無条件に元気になるのは間違いない。(舞台ばっかりだと、物語の解釈やらで煮詰まってしまうことがよくわかったので、頭を空っぽにして楽しめる時間は今の私にとってすごく貴重だ)

 なんというか、アイドルと自分の関係として、もしかしたら今が1番いい距離感かもしれないとも思っている。他に熱中することがあっても、見ているだけで気持ちを高めてくれるアイドルは、自分にとって不可欠な存在だと気がついた。それに気がつかせてくれたA.B.C-Zのことを好きでよかったと思った横浜アリーナだった。