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【テレビ】全裸監督の感想「いつまで昭和の話してるんだろう……?」

 知らずに叩く・褒めるというのがインターネットにおいてもっともアカン行為だと思うので、話題沸騰の「全裸監督」を私も見ましたよ。感想はタイトルの通り。いろんな方向から称賛されたり叩かれたりしてますが、私はとにかくこれ。面白いかつまんないかで言ったら、8:2でつまんなかったです。

 

 何がつまんなかったかというと、これもタイトルの通りなんだが、「こいつらいつまで昭和の話でシコってんだろ?」という疑問が、最初から最後まで拭えなかったところですね。な、なんと……実は平成も終わってます!!!!!!!!!!

 シーズン1は昭和から平成初期まで時が流れるわけですが、画面から伝わる「あの頃の俺たちはかっこよかった!」「あの頃の俺たちは自由だった!」「あの頃の俺たちは革命的なことをやっていた!」という、「あの頃の俺たち自慢」。そのかっこよさや自由さは、昭和にももちろん存在していたサイレント・マジョリティのおかげだということを、さっぱりわかっていないんだね……という驚きですよ。

 これだけ愛されてる(らしい)時代なのに、今まで生きてて昭和をうらやましがってる人を一度も見たことがないという謎。むしろ、パワハラ・セクハラを始めとした人権侵害、「がむしゃらに働く」という効率の悪さ、男らしさ・女らしさという無意味な意識など、そういった“昭和的”なものから脱却しようとしてるんだけどね。そんな中で全裸監督くんに昭和自慢されても、「へえ」としか言えなくない? だって全然うらやましくないんだもん。

 

 性的に搾取されていた女性側の視点とか、実在の人物出してるのに許可とってんのかとか、いろいろ「どうなの?」案件もある。「人の性欲を商売にしたい」みたいなことを主人公が言うけど、「男の性欲を商売にしたい」の間違いだし、明らかに“本番強要”と取れるシーンもある(主人公は「自分で決めろ」と言ってたけど、あの状況で断れると思ってんのかって話)。AV出演した女性が「こんなに褒められるなんて」って涙する感動的(?????)な場面もあるけど、もともと自己肯定感の低い人間を捕まえてきてるという姑息さが強調されてるだけだし。

 何よりも腹が立ったのは、主人公がハワイに行った時、海外の女優に「私はあなたを尊敬している。なぜならば、あなたはハリウッド女優よりも男を喜ばせた」みたいなこと言うとこ。「女性を尊敬している」という“ポーズ”を取りつつ、「女は男を喜ばせるもの」だと思っているという、どっから説明してあげたらいいのか2〜3日悩むやつ。こういう人間を「ヒーロー」「風雲児」的に見せ、最大限に美化したのが「全裸監督」というドラマであると私は見ました。

 

 つーかそもそもの話、「エロ」をタブーとして扱ってんのがクソダサいよね。「地上波ではできない!」「挑戦的!」みたいな煽りで出てくるのがAV監督の自慢話って、相当ダサいと思うんだけど。日本にもクソヤバカルト宗教あったし、政治も芸能界もボロボロ真っ黒だし、猟奇殺人だっていっぱいあるじゃん。そういうののドキュメンタリーとかやったほうが、1000000000倍タブー感あると思うんですけど。そこには一歩も踏み込まず、「エロ」をタブーとして祀り上げる浅さよ。まあ、この世に小学生しか存在しないならいいんですけど。

 ネトフリドラマは海外の作品も「とりあえず麻薬」「とりあえずエイリアン」みたいな感じで、マンネリ化してんなと思うけど、過ぎ去った時代を美化し、人間誰しも持っている性欲をタブー化する「全裸監督」がここに並ぶことは、私にとってかなりガッカリな出来事でした。

 

 唯一よかったところを挙げるならば、俳優陣はみなさん素晴らしかったですよ。リリーさんは相変わらずサイコパスってるし、久々の瀧に興奮したし、何よりも國村さんが最高。見ている人にトラウマを植え付ける役をやらせたら、國村さんの右に出る者はいないでしょう。

 そんな國村さんのベストトラウマバウトと言えば、「コクソン」ですよ!!!!! なんと9月2日まで「GYAO!」で無料で見れます!!!!! やったーーーーー!!!!! みんなも“除霊フェス”に参加して、ファン・ジョンミン兄貴の人間を超越した大量のゲロを目撃しよう!!!!!

gyao.yahoo.co.jp

  以上、「コクソン」の宣伝でした。