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【テレビ】お笑い怪獣たちの苦労と苦労人ジャニーズSMAP 『笑っていいとも!』

いいともグランドフィナーレを見終わったあと、「ああ、昭和にうまれてこの人たちが一番元気にお笑いやってた時のテレビが見たかったなあ」と思った。

 

学生時代、私はお笑い芸人が大好きでよく劇場に足を運んでライブを見た。

時には昼休みに学校を抜け出して新宿のルミネtheよしもとに行き、芸人と握手してチェキ撮ってダッシュで駆け戻るなんてこともした。

そこまでさせるお笑い芸人の魅力はなんなんだろう、と思う。

もちろんネタが好きなのだが、それ以上に、苦労してきた彼らに魅力を感じていた。芸人なら誰しもが経験するのだろう「下積み時代」。とにかくお金が無くて食べるものに困ったときに、道端に落ちていたガムを拾って噛んでいたなんていう話を、彼らは笑いながらしゃべるのだ。なんだそれ。普通なら耳をふさぎたくなるような苦労話を、彼らはいとも簡単に笑いに変えてしまう。人生の中で経験してきた喜怒哀楽のすべてをネタに変えてしまう。

「あなたを見てると悩みなんて吹っ飛んじゃいます!」とはまさにことのことだと思った。泥水を啜って生きてきたからこそ、人を笑わせることができる。これが、私が感じる芸人の魅力なのだ。

 

最後のスピーチで、バナナマンの設楽さんが「この人たちに憧れて芸人を目指した」と言っていた。バナナマンだってもう中堅芸人だ。テレビで見ない日はほとんどないし、ラジオレギュラーだってある。バナナマンをテレビで見て憧れて芸人を志した若手芸人が今いてもおかしくない。

そんな彼らが憧れ、尊敬し、影響を受けてきたお笑い怪獣たちが、昔からずっとテレビ界を支えている。バラエティー界ではなく、もはやテレビ界だ。

つよぽんもスピーチで言っていた。

「この人たちの前に出て発言することは無理だな、って」

国民的アイドルでさえも、お笑い怪獣たちの前に立つことができない。そりゃあもちろんジャンルが違えばできることなんだろうが、バラエティーに置いてはそれができない。いや、しなくてよかったということなのかも知れない。怪獣たちがあんまりにもなんでもやっちゃうもんだから。なんでも盛り上げちゃうもんだから。

 

 

そして私は今、ジャニオタをやっている。(全うな仕事を語るようだが、そうではない)

最近はとんでもないDDに成長してきているが、SMAPだけは別格である。ついに平均年齢が39歳になった5人組アイドルグループなのだが、こちらもテレビで見ない日は無い。

今やトップアイドルとなった5人だが、売れるまでは長かった。

グループ結成後から3年でようやくデビューしたかと思えば、その年から音楽番組が続々と減っていき、アイドルとしての活躍の場は無くなっていく。CDを出せば1位を取って当たり前と言われるジャニーズだが、彼らが1位を取ったのは12枚目のシングルが初めてだ。(ちなみに、V6は2枚目、KinKi Kids・NEWSは今まで出したシングルすべてが1位を取っており、嵐・関ジャニ∞KAT-TUNなどもデビューシングルから1位を取っている。なお、みんな大好きTOKIO兄貴は22枚目で1位に輝いた。)

さらに、冠番組を持った年にメンバーが一人脱退したり、週刊誌を騒がせたり警察沙汰を起こしたり、何度かグループ存続の危機があった。

慎吾ちゃんのスピーチでSMAPの名前を出した途端彼が泣きだしたのを見て、背負ってきたもの、追われてきたものの大きさを感じた。

SMAPで辛かったり苦しかったりしたとき、笑ってなきゃいけないことが辛かった」

これはバラエティーをやる人たちの気持ちを代弁した一言だと思った。

それでも、プライベートでどんなに辛いことがあろうが、売れない時代に苦しい思いをしてようが、目の前にお客さんがいれば、目の前にカメラがあればそこに向かって笑うのがバラエティーに出ている人の仕事なのだ。

それをアイドルに学ばせてくれた笑っていいとも!という番組の存在は偉大だ。非常に偉大だ。

 

 

 苦労すること、続けること。

これがいかに単純で、大切なことなのかを教えてくれた「いいとも!」。

どんな時でもお昼に笑いを提供し続けてくれた32年間。タモリさん、スタッフのみなさん、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。

 

 

そういえば、母に男性関係で心配されたことがある。

「あんたは苦労人を好きになる節があるからね、ちゃんと働いてる人を連れてくるのよ」

その心配を、まさかの連れ込み人数ゼロという形で裏切ることになろうとは。結構誰もが予想してた。