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【ひとりごと】永久新規なのに「 #田中圭24時間テレビ 」で泣いた理由と、やっぱり“職人”はかっこいいと思った週末

 いきなり今私が1番言いたいことをお伝えすると、「第3回 輝け!AbemaTV AWARDS 2018」っていうのがやってて「田中圭24時間テレビ」が主演賞にノミネートされてるので、見た人はぜひ投票しに行こうね。12月30日まで毎日1票投票できるんだって、すげえな。

abema-award2018.tv

 

 ということで、こっからは余談です。

 

 24時間テレビ終わっちゃいましたなあ。土曜日の夕方に起きてそっから寝ずにぶっ通しで見て、終わった瞬間寝たけど翌日なんか時差ボケみたいな状態になって、会社でヘロヘロだったけどようやく元に戻ってきた。国内にいても時差ボケになるということを学んだ。

 24時間50分ずっと好きな俳優の動く姿が見られるとかいうご褒美企画にはもう感謝しかないし、24時間50分嘘偽りなくずっと楽しかった。24時間50分カメラの前にい続けた田中さんはもちろん、ゲストのみなさんもスタッフさんも本当にお疲れ様でしただし、24時間50分ずっと見てたオタクと私は肩を組んで労いあいたい気持ちだよ。

 まあここだけの話、いろいろ思うところがないわけではないんだけど、終わったことになにを言ってもしょうがないし、きっともう一生やらないだろうし(や、やらなくていいからね?)、オタクの立場で言えることはなにもないので、ここでは内容について元気よく割愛していくぞ。

 

 ……と思ったけど、流れるように本番の撮影が始まって完璧な掛け合いが成立した六角精児さんとのシーンと、

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即興とは思えない吉田羊さんの的確な言葉選びがすごすぎて感動し、金で心が揺らぐ田中さんの表情がおもしろすぎる&「これが嘘のないお芝居か」と唸ったシーンがお気に入りなので見てね。(脚本に思うところがあったのかいろいろぶっこんでくる吉田さんと、それをあえて避ける選択をした田中さん、どちらもすばらしかったというのも補足で)

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 んで、私がここで書き留めておきたいことは、「ぶっちゃけ大した思い入れがない他人のことで私はなんで泣いたんだろう」という疑問に対して自問自答した結果です。

 「大した思い入れがない他人」とかいうと怒られそうな気がするけど、期間で言えば今年の春からしか知らないわけで、もっと昔から応援されているファンの方とか、それこそ大親友の鈴之助さんが泣くならさ、これまでいろんな姿を見てきただろうから感極まるのもわかるよ。でもさ、最近オタクになった私が流した涙の意味はなんなんだろう、という。「あのころは考えられなかった活躍が見られてうれしい」わけでもなく、「ずっと応援してきてよかった」と喜んでいるわけでもなく。でも、放送が終わって台所の換気扇の下でヤニ補給してる時に涙が止まらなかったんだよな。わけがわからなかった。あの時の自分の感情はなんなんだろう、と考えようと思ったけど、終わった直後は頭が回らなくて寝た。

 で、翌日人と飯を食ってたとき、「なんかこれが理由っぽい」と思ったことがあって。すごいざっくり言うと、「私たちは損な性格だよね」っていう話をしてたんですよ。私とその人は自分で自分の頑張りを人に言うのがすごく苦手で、だけど結局、「自分、めっちゃ頑張りました! 見て見て! 褒めて褒めて!」って声を出した人の方が、たとえ同じ仕事をしてたとしても、自分より仕事をしてなかったとしても評価されるよね、みたいな。なんとも暗い話をしてたんですよ。

 その話をして思い出したのが、自分が専門学生だったときのことなんですけど。自分、服の学校行ってたんですけど、文化祭のショーの衣装作る係をやったんですよ2年間。5〜6人で1着作るって感じだったけど、これ結構大変なのよ。みんな大変だったけど、モデルが1番大変で、その次ぐらいに大変な係だったんじゃないかと思ってる。で、2年生の時衣装係で一緒になった子が、私と正反対の「頑張った! 見て見て! 褒めて褒めて!」ができる子だったんですよ。彼女を仮に「A子ちゃん」としましょう。確かにクラスの中では裁縫がうまくて、クラスメイトからも頼りにされるようなしっかりした子で、普通に話す分にはなんの引っかかりもなく仲良くできたんだけど、しかしやっぱり、同じ係で働くとなると、「同じことやっててもこの子の方が得してるな」と思うことは多々あって。

 そんなちょっと悶々としてる中、私が結構めんどくさいミスをしちゃたんですよ。もちろん締め切りというか納期がある仕事なんですぐ直さなければならない。当然私が責任を持って修正いたしますということで、副担任の先生と2人でやるからごめんね〜つって教室でちまちま直してたんですよ。この先生とは1年生のときも一緒で、さらに私はクソ舐めてる生徒だったんで下の名前で呼び捨てにするぐらいの仲だったんだが(笑)、まあこの先生が「あんたはいつもちゃんとやってるから、こういうときに助けてあげたくなるよ」みたいなことを言ってくれて。さらに、今考えたらオイオイ案件なんだけど、「それに比べてA子は口ばっかりで全然やらねーわ」みたいな愚痴を言い始めて。……なんなのこの先生やばいな?

 今まで自分はA子ちゃんより目立たない(目立ちに行かない)分、圧倒的に人から評価されない立場にいると感じていたけど、副担任の先生は自分みたいな人間のこともちゃんと見ていてくれてたんですよね。なんかそのとき、「あ〜、このままでもいいのかな」と思ったんだよね。無理して口に出さなくても、誰かがちゃんと見ていてくれて正当に評価してくれるし、マジでヤバイ時は手を貸してくれるもんなんだなとうれしくて。

 で、多分私が「田中圭24時間テレビ」を見て泣いてた理由はどうもこれだったっぽいんだよな。ただ単純に、頑張ってる人をたくさんの人が支えて、地道に積み上げてきたことが要所要所でサラリと発揮されて、それが正当に評価された場面に立ち会えて、心からうれしかったんだと思う。うれし泣きだったっぽい。

 自覚はないけど、多分ずっと心のどこかで悩んでたんでたんだろうな。もっと自分で自分をアピールしていくべきなのか? でもそれって超カッコ悪くないか? だけどいつまでも損するのはつらくないか? そんなことを知らない間に自問自答して生きてたんだと思う。だから、その答えのようなものを見て、ホッとしたんじゃないかなあ私さんは。頑張りとか実力とかって絶対誰かが見てるから別に自分で言わなくたっていい、損してるわけじゃないよという答え。

 

 自分は昔からこういう“職人気質”な人にすごく憧れがあって、むしろ「見て見て! 褒めて褒めて!」することをダサいと思っちゃうんだよね。だからどんなにそっちの方が得だとしても、自分は絶対やらないっすね、という気持ちはやっぱりずっと持っている。で、24時間50分田中さんを見てて、この人の仕事との向き合い方は完全に職人だなと思ったんですよ。なんか昔、某アイドルのことを褒めるつもりで職人って言ったらファンの人が怒ってたんだけど、いまだに理由がわからん。職人のように仕事する人って、超絶かっこいいじゃんねって私は思うんだけど。超絶かっこいいですよ。

 「自分が楽しいから俳優やってる」とか「誰かのためにやってるわけじゃねーぞ」とか「人の評価とか別に気にしてないよ」的な発言がよくあるけど、これもめちゃめちゃ職人っぽくて痺れるんですよね私的には。中でも「自分より役とか作品が評価されてほしい」ってのは、まさに職人が言う言葉でしょ、という。粛々と堅実な仕事をして、自分が納得する結果を積み重ねていけば、必ず誰かがスポットを当ててくれるんだなと。たとえ今は損してるような気がしても、自分を信じてその生き方でいけばいいんだなと。専門学校の副担任以来、改めてそれを確認できました。

 今までずっと「顔がいい」しか言ってなかったけど(もちろん今も顔面を1番信頼しているのだが)、24時間50分を終えて新たな魅力を見つけちゃった感があって、正直、ちょっと困っている。

 

  しかしやっぱり職人気質な人は損だなと思ったこともひとつあって、例えばこの企画を「頑張った! 褒めて!」と主張する人がやったとしたら、終わった後に「あ〜! 疲れた! しんどかった!」とか大騒ぎすると思うんですよ。でも田中さんは終わった後もわりと飄々としてて、なんなら田中アナや鈴之助さんより涼しい表情をしてて、顔は疲れ切ってたけど「なんかまだ余裕っぽくない?」みたいなふうにさえ見えてしまう。これは完全に損してるんですよね。ウルトラすごいことやったのに全然そう見えないという、超人ゆえの損!

 今はかなり熱が下がっちまってるんですけど、私が好きなA.B.C-Zっていうグループもめちゃくちゃこれでして、コンサート中ずっとバキバキに踊ってるのに終盤でさらにバッキバッキに踊る曲を持ってきて、しかもそれを普通に踊りきっちゃうもんだから、「このヤバさ、誰にも伝わんねーよ!」みたいなことがあるわけ。要するに、「彼らにはこれくらいできて当たり前」みたいな見え方になっちゃうんだよね、どう考えても当たり前のことやってないのに。それができるのは、今まで努力と根性で確かに積み上げてきた実力がある人だけなのよ。24時間ぶっ通しでドラマを作ることも、コンサートでずっと踊ってることも、全然普通じゃないですからね!!!!! なんならかなり狂ってますからね!!!! そこんとこお間違えなきよう!!!!!

 

 私、格ゲーの試合を観戦するのも好きなんですけど、ちょうどほぼ同じ日程で世界大会がありまして、こっちもずっと見てたんですよ。田中さんと格ゲーの二刀流オタクとか多分この世に私しかいないと思うので、週末はこの地球上でただ1人、超絶多忙なオタクをしておりました。

 で、この大会で日本の選手が優勝いたしまして。ご興味ある方はぜひこの記事見て。

appvs.famitsu.com

 個人的には優勝した「ガチくん」選手も職人気質の方だと思ってるんですよ。他のプロも「ガチくんのやりこみはすごい」っていうぐらい黙々と練習をする人で、さらに言うと、ベスト8に入った選手の中で彼だけが使用キャラクターをず〜っと変えてないんですよ。

 格闘ゲームは定期的にキャラクターの強さが調整されるんですけど、その内容によっては、今まで使ってたキャラがめちゃくちゃ弱くなっちゃったりするんですよ。これはゲームに勝って賞金を稼ぐプロにとっては死活問題で、「このキャラが好き」とか「愛着がある」とか言ってられず、キャラを変えて勝ちを優先する選択肢を取らざるを得ない場合が結構ある。ガチくん選手が使っている「ラシード」ってキャラも実は思いっきり弱くされたタイミングがあって、ラシードを使って大会に出る人がガクッと減ったんですよね。でも、ガチくん選手はラシードを辞めず、むしろやりこむことで練度を上げて、そして今年1番大きいプロ大会で優勝したんですよ。もう、めちゃくちゃかっこよくない? この話始めるともう1本ブログ書けるわって感じなんだけど、まあ、今回は辞めておく。いつかする、多分。

 

 とにかく私は先週末、職人たちのかっこよさにしびれにしびれたっつうわけです。この人たちと次元はまったく違えど、職人気質ゆえ自分で自分をアピールしていけず、調子いいヤツにいいところを取られ、結構頑張ってやったのに「当たり前」だと見られ、モヤモヤを抱えている人って結構いると思うけど、多分大丈夫だよ。我々の頑張りは誰かが必ず見ていてくれるし、褒められなくても自分が納得できる成果が出れば、それはちゃんと力になってるよ。そうやって俺たちは、簡単には爪を見せない“能ある鷹”になっていこう。真面目で賢い人間を目指していこうな!!!!!