【アイドル】「2022.7.5 #JO1 タイ事変」の記録 〜“バズ”から生まれたアイドルファンダムと運営の動き〜
2022年7月5日、グローバルボーイズグループ・JO1とそのファンたちの間で、アイドル界ではちょっと見たことがないような動きが起こった(少なくとも、私は初体験のことだ)。
SNS時代ならではの国境を越えたファンたちの交流や、JO1の本格的な世界進出を後押ししたいという熱量の大きさだけでなく、そんなファンに呼応する芸能事務所の対応も非常に興味深かったので、私が勝手に「2022.7.5 JO1タイ事変」と名づけ、同日中にあった出来事を時系列で記録する。
なお、私は日本のJO1ファン(以下、JAM)であり、自分が見えている範囲のみの大まかな記録になることをご了承いただきたい。
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さて、本題に入る前に、こちらのMVをご覧ください。話はそれからです。
ご視聴ありがとうございました。それでは、「2022.7.5 JO1タイ事変」の話いきます(誰もこの名前で呼ばなくていいですよ!)。
2022年7月4日 午後5時30分
とあるタイユーザーのツイートが投稿される。
Produce101 japan นี่หลุดจักรวาลชาวบ้านสุดละ ตอนเค้ามีประเด็นชีก็รีบกระโดดตัวหนีเลยว่าไม่โกงจ้า กุไม่เอาด้วยนะ แล้วเด็กฝึกคือเรียลสุด ไม่ใช่เทรนนี่อะไรมาก่อน เป็นพนักงานบริษัท วิศวะ ช่างก่อสร้าง เด็กม.ปลาย พระ ลูกเศรษฐี จะภาษาดีหน่อยก็พวกแบคแดนซ์เซอร์เก่า อีห่ามาแข่งแบบอย่างเรียล
— จินเจ้อซอย (@gingersoi_m) July 4, 2022
「『PRODUCE 101 JAPAN』はほかの『PRODUCE 101』シリーズとは違い、会社員やエンジニア、解体作業員、高校生、お金持ちの息子などがいたので、すごく人間っぽい」みたいな内容(らしい)。
※参考にさせていただきました。
พอดีมีเพื่อนๆคนญี่ปุ่นถามมา ขออนุญาตแปลเป็นญี่ปุ่นนะคะ🥺🙇🏻♀️
— 🐟麻辣ちゃーはん (@sakanachahann) July 5, 2022
日本語に訳してみました!気になる方どうぞお読みください。多分こんな感じです😂(日本語のミスあれば申し訳ありません😭)
ツリーの方は全部日プの面白さやみんなに知ってもらいたいことについて話したみたいです!😆 https://t.co/CNIZaEvQLl pic.twitter.com/0JDUb0Pvqq
念のため補足しておくと、『PRODUCE 101 JAPAN』とは、韓国の人気オーディション番組『PRODUCE 101』の日本版である。
『PRODUCE 101』の参加者は、芸能事務所に所属しているアイドルがほとんどだったのに対し、『PRODUCE 101 JAPAN』は芸能事務所に所属していないことがオーディション参加の条件。そのため、「会社員やエンジニア、解体作業員、高校生、お金持ちの息子」が「アイドル」になっていくという、『PRODUCE 101』とは違う魅力があった。
2022年7月5日 午前9時ごろ
主にタイに住むJO1やINIのファンによって、このツイートが「バズってるぞ」と発信される。日本を含む各国のファンもこの騒ぎに気づき、引用リツイートなどで“自軍”を布教し始める。
「#อยากให้ประเทศไทยรู้JO1(タイに届いてほしいJO1)」とのハッシュタグも生まれ、平日の昼間から夜まで大盛り上がりする。多分みんな、仕事や学校にはちゃんと行ったと思う。
※この際、「日本語→英語→タイ語」の順番で翻訳すると自然な感じになる、との知見を得る。多分どの言語も1回英語を挟んだほうがよさそう。以下、「JO1のリーダーである與那城奨は、沖縄のボクシング大会で優勝しました」みたいなことを書いた私のツイート。全て事実です。
โช โยนาชิโระ ผู้นำ JO1 ชนะการแข่งขันชกมวยที่โอกินาว่า#อยากให้ประเทศไทยรู้JO1 https://t.co/Rrb5hJpbAu pic.twitter.com/z4oLP621Fl
— 🌻モト🌻 (@yonayona_melon) July 5, 2022
2022年7月5日 午後9時30分ごろ
タイ語を話せる日本JAMの方(Orekaさん)がスペースを始める。今回、タイで突然バズったことについて、現地のJAMの方から直接話を聞く内容。どんどんリスナーが集まり、同接2,800人ほどを記録していた。
Space Now🫶🏻💗https://t.co/gesk7hgX6C
— Oreka👽 (@OrekaShion) July 5, 2022
私はここで語られた内容を記録しておらず、また今現在、録音を聞くこともできないため、詳細な書き起こしは控えるが、「日本以外の国からJO1を推すことの大変さ」が語られた部分では、“グローバルボーイズグループ”を名乗る以上、早急に改善してほしいことが多くあった。
特に、各コンテンツに「字幕」をつけることの重要性が強く語られていたが、これは残念ながら、私を含めた「日本のアイドルを日本で応援している日本語を使うファン」には、今までその切実さが伝わりにくかったと思う。なので今回、タイJAMからの強い要望が聞けたことは、日本語を使うJAMにとって「グローバルボーイズグループとは何か」を改めて考える、良いきっかけになったはずだ。
ちなみに、今回バズったツイートは、このスペースに参加したとあるタイJAMの別アカウントだったことが明かされる。まさかの“ご本人登場”にフロア(リスナー)爆沸き。
2022年7月5日 午後11時45分
「よしもとエンタテイメント(タイランド)<吉本興業>の公式Twitter」が、「なんか『日プ』がバズってるらしい。JO1もタイに来るかな?」みたいなツイートを投稿。
Produce 101 Japan คนสนใจเยอะขนาดนี้
— Yoshimoto (Thailand) (@Yoshimoto_TH) July 5, 2022
JO1 จะมีโอกาสมาไทยมั้ยน้า~🤔#JO1 https://t.co/et95nZzwXt
おそらく多くの人が「吉本ってタイに支社あったんだ?」と思ったはずだが、これが今回の“バズ”に対する最も速い運営サイドの反応である。
2022年7月6日 午前0時30分ごろ
JO1のチーフマネージャー・K氏がOrekaさんのスペースにリスナーとして参加中であることが見つかる。あまりにも“SNS時代”を感じる展開に、またもフロア(リスナー)爆沸き。
つい先日、「かまいたちの元マネージャーは、現在JO1のチーフマネージャーをやっている」とテレビで明かされたばかりだったので、おそらくJAMたちは「これがウワサのK氏か!!!!!」と思ったはず。いつ頃から聞いていたのかは不明だが、とにかく“ちゃっかり”いた。
2022年7月6日 午前0時37分
またも「よしもとエンタテイメント(タイランド)<吉本興業>の公式Twitter」がツイート。今回は日本語も含まれており、明らかに日本のJAM(もしくは日本のJO1運営)を意識した投稿となっていた。
Yoshimoto Kogyo สาขาไทยเองค่ะ!
— Yoshimoto (Thailand) (@Yoshimoto_TH) July 5, 2022
ขอส่งต่อความตั้งใจของทุกคนไปให้ทางญี่ปุ่นนะคะ!🔥🔥
日本にもこの熱量を伝えます!#อยากให้ประเทศไทยรู้JO1#タイに届いて欲しいJO1
2022年7月6日 午前1時ごろ
Orekaさんのスペースが終了。終盤、タイJAMからの「いろいろあるけど、JO1みんな健康でいてね」みたいな温かいメッセージを聞いて泣く。オタクがアイドルに対して願うことは万国共通なんや。やっぱり、空はつながっとんねん。
聞いている側としては、投げ銭したいほど充実した内容だったが、全て無料で聴かせていただいた。本当にありがとうございました。この“無償の愛”によって、今回のように多数のJAMを巻き込んだムーブメントが起こったことは間違いないだろう。
2022年7月6日 午後2時30分ごろ
よなメが届く。今日も世界一かわいくてかっこよくて美しい。
2022年7月6日 午後2時52分
สวัสดีครับ พวกเรา JO1
— JO1 (@official_jo1) July 6, 2022
จากรายการ PRODUCE 101 JAPAN ครับ!
ตอนนี้พวกผมก็สนิทกันดีครับ!
อยากเจอแฟนๆชาวไทยทุกๆคนเร็วๆแล้วครับ🥰#JO1 #อยากให้ประเทศไทยรู้JO1 pic.twitter.com/xNOKMwpEFh
日本語に訳すと「こんにちは、JO1です。『PRODUCE 101 JAPAN』から誕生しました! 今、僕たちは仲良く過ごしています! 早くタイのファンの皆さんに会いたいです🥰」とのこと。
※参考にさせていただきました。
(訳)
— プレ☁️𖤐ˎˊ˗ (@pikapaew) July 6, 2022
こんにちは、JO1です。
PRODUCE 101 JAPANから誕生しました!
今、僕たちは仲良く過ごしています!
早くタイファンの皆さんに会いたいです🥰#JO1 #อยากให้ประเทศไทยรู้JO1 https://t.co/NgWRIH3iUR
JO1公式の投稿がすごくいいと思ったのは、ただ単にタイ語でツイートしただけではなく、「なぜバズったのか」を理解して、「『PRODUCE 101 JAPAN』でバラバラに集まったメンバーだけど、今は仲良くやってますよ!」と伝えたところ。「あらゆる背景を持ってバラバラに集まったメンバー」が「現在は同じグループで活動している」ことがウケているのだとはっきり認識しないと、出てこない文章だろう。
ツイートに添付されている結成前からデビュー後までの活動を簡単に紹介する動画は既存のものだったが、ここにタイ語の字幕が付けられている。実際はどうだかわからないものの、この投稿は“見え方”として、「今回のバズやスペースを受けて、JO1運営が動いた」ように感じられる。こうした演出も非常にうまいと思った。
何よりも、『PRODUCE 101 JAPAN』を紹介するバズツイートからJO1運営が反応するまで、1日弱という“スピード感”は特筆すべきだろう。内部の人員について知る由もないので、タイ語の字幕をつける作業にどれだけの労力を要したのかは想像するしかないが、決して簡単なことではなかったはずだ。
多少でもインターネットに触れていれば、何かしらが「バズる」瞬間に一度はでくわしたことがあるだろう。一方で、その盛り上がりが長時間続く様子を見たことがある人は稀ではないかと思う。要するに「バズる」という現象は、非常に短期的なものだといえる。
だからこそ、JAMや『日プ』のオタクたちは「この機を逃すまい」と必死で布教したわけだが、ここまでは結構よくあることだろう。しかし、その規模が“世界”であったこと、そして運営側が瞬時に&しっかりと対応したことは、日本のアイドル史、ひいては芸能史に刻んでもいいほど、エキサイティングな出来事だったと思う。
さて、ここからは余談。
今回の一件を経て現在、海外JAMを中心に、さまざまな意見がオンライン上で交わされている。その上で当たり前のことを言うと、国内外を問わず、事務所がファンの意見を全て聞くことは不可能だし、そんなことをする必要はない。運営が“ファンの言いなり”になるのは非常に情けないし、誰もそんな能無しにJO1を任せたいとは思わないだろう。
またファン側も、「お金や時間を使って応援している」ことは、運営に無理を強いていい理由にならないということを肝に銘じるべきだと、個人的には強く感じる。今回の事例が「言えばなんでもやってくれる」という勘違いにつながらないことを祈るばかりだ。
ただ、あらゆる国にJO1を応援するファンが存在しており、皆同じようにJO1のことを大切にしていて、少しでも力になりたいと思っていることは、事務所側にも知ってほしい。今回のバズをきっかけに、“真のグローバルボーイズグループ”になることを期待している。
最後に、「タイのアイドルオタクに好かれる顔」だという河野純喜さんのご尊顔を掲示いたします。ご精査ください。
[#河野純喜]
— JO1 (@official_jo1) July 6, 2022
สบายดีมั้ยครับ?
คุณคนผมแดง!
ครับ! สบายดีครับ🎶#JO1 #KONOJUNKI pic.twitter.com/weiW2Z7O1W