冗談は顔だけのつもりだ

そうさ100%現実

【映画】わたしをホモ鬱にした映画を紹介します。

生きてるうちは呼吸のようにホモを求める意識の高い腐女子なわけだが、まあ長いこと歩んできた腐女子人生を狂わせるんじゃねーかと思うくらいに考えさせられた映画がありまして。

・御法度<監督/大島渚  主演/松田龍平

46億年の恋<監督/三池崇史  主演/松田龍平

・青い春<監督/豊田利晃  主演/松田龍平

ブロークバック・マウンテン<監督/アン・リー  主演/ヒース・レジャー、ジェイク・ジレンホール>

上記4つは始めっから邪な目で、というか、青い春を除きそもそも題材が同性愛なのでそういうことで見たかった映画。(青い春は前見たんだけど、最近改めて見てホモ的に考えることがあったので入れといた)

ていうかどんだけ龍平だよっていうね、自分でも思ってるからそれ。

この4作を見て改めて感じたのは、
男を好きになるのと人として好きになるのって全然違うということかなあ。
いわゆるボーイズラブと呼ばれて世に存在している漫画や小説、映画などなどっていうのは大体が前者の『男を好きになる』要するに、そもそもゲイの要素を備え持っている登場人物しかいない、っていうかそうでないと成立しない話ばかりなんじゃないかって思ったのですよ。

先に言っとくとこっから先は「いや、BLってファンタジーだし……?」っていうツッコミ無しでオネシャス
それ言ったら全部その一言で完結だからな……

例えばBLでありがちな
「同じクラスなのにあまり喋ったことがないアイツとこの前ばったり本屋で出くわした。アイツ、あんな本読むんだ、イメージと違う……それから俺は、アイツの横顔をしばらく見つめてしまっていた」
……みたいなさ、あんじゃん? 男の一目惚れってのは正直ありえないと思うんだ、ノンケ同士だと。
わからん、わたしはチ●コが欲しくてもいつになっても生えてこないからわからないんだけど、じゃあこれが女子だったとして喋ったことがほとんどないクラスの美人がたまたま同じ本屋にいた所で「……トクン」ってなるかっていうと100%ならないわけだ。なんでかってそれはわたしがレズビアンじゃないから。
もともと恋愛対象として見ているものにしか一目惚れってしないんじゃないかって思うんだ、個人的には。

特別な感情を持つこととか友達の一線を超えることって、今の世の中じゃ世間の目も気にしない精神力と将来を少し捨てる覚悟が無いとできないじゃないですか、正直。残念ながら。よって、時間をかけないとノンケを含む場合のホモって成立しないんじゃないかと思うわけでして。人としてお互いを好きにならないといけないわけさ。その上で恋愛が乗ってくるわけでしょ、こりゃ大変だぜ。
一目惚れとまではいかなくとも、短い時間や浅い関係しか無いもの同士、ましてや同性同士が恋人と呼べる関係になることってありえないと思う、残念ながら。肉体関係だけならありえると思う。そっから始まるホモのほうがまだ現実的なんじゃないかってなあ、って思うわけです。
やっぱりBLの世界はうまく出来過ぎてるよね~まあそれがいいんだけどね~……。そうじゃなきゃ辛いばっかりだもんね、うん。
オスとオスのセックルだけ見てればいいピ●スさんなら話は別なんだけどさ、心情描く系のホモにはこのへんを少しでもいいから汲んでほしいなあ、なんて思った次第なのですよね、はい。


『御法度』はその辺文句なし。
新撰組の話なんだけど、龍平ちゃんの役が美男子で剣もできてしかも男にモテてしまうっていう役なのだが、好かれるのはちゃんと男色の気がある人だし龍平ちゃんの役は自分が男に好意を持たれることをうまく利用して、新撰組という組織自体をぶっ壊そうとしている感じに見える。なのでこれはちゃんとホモ映画してる。
悩むことは何もない! ただ龍平ちゃんかわいいなあかわいいなあ~初めての映画で男とのセックルシーンとはこりゃまた大変だったな~ニヤニヤってしてもバチが当たらない作品。印象に残るセリフもシーンも特にぱっと浮かばないくらい普通の映画なんだけどね、うん、ごめんこんな感想で。でもなんだ、好きになった人だろうがなんだろうが平気で殺せちゃう惣三郎さんいいよねすごく。最後は本当に死んでだかわからんけど、個人的にはさっくり殺しちゃっててほしいなんて思っている。
結構昔の映画なんで演出とかその他もろもろ今と比べると劣るけど、とにかく龍平ちゃんがかわいいのと普通にホモ映画なのでご興味あるかたはぜひに。とにかく龍平ちゃんがかわいいから、とにかくかわいいから。

46億年の恋』これはよかった~~~すごい考えた色々と。
えっと内容としては龍平ちゃん演じる有吉がゲイで安藤政信演じる香月が一応ノンケなのだが、そんな二人が出会うのが刑務所。きました、男だらけの閉鎖☆空間!!! このへんはちょっとドリーム入ってるよね、うん。
んでこれはミステリーに分類されるらしいので極力内容を言わないようにするけんども、有吉が香月に憧れていくんだ。ちょっといじめられた有吉のことを香月がかばってくれたりするんだよ。そんで夜な夜な、隣で寝ている香月のことを上から下までなぞるように視線でたどるんだよ有吉が。……かわいいな有吉。

そんで、ピラミッドとロケットが見えるわけわからん場所で二人が会話するシーン。

有吉「なんでいつも僕を守ってくれるの?」
※大体こんな感じ

おいおい おいおいおい かわいいなおい(動揺)
香月はなんて答えたんだっけな~動揺しすぎて覚えてないんだけど、重要だったな、そこ……
あと、その前に香月が他の受刑者と関係があるんじゃないかっていうウワサが流れてそれを聞いちゃったんだよ有吉は。んで、この会話。 

有吉「僕じゃダメなのかなあ」
香月「お前は宇宙と天国、どっちに行きたい?」
有吉「香月くん(?)は?」
香月「俺は宇宙」
有吉「じゃあ僕も宇宙」
香月「……本当は?」
有吉「……天国、かな」
香月「天国を選ぶお前のことは汚せないよ」
※大体こんな感じ

ってなことを言うのよ香月。あんた まじかっこいいなおいいい加減にしなさい(怒)
(宇宙と天国の話はよくわからんがこの際どうでもいい。君たちが今どこで会話してるのかもよくわからんし君たちが蹴り合ってるペットボトルのようなものがなぜここに転がってるのかもこの際深くは問い詰めない)

でも香月にはくら~い過去があって、というか粗悪すぎる環境で育った子供だったのでいろいろ抱えるものがあったんだよね。暴力的で強い香月に憧れを抱いてた有吉なんだけど、香月は有吉の前で泣くんだ。それをそっとね、そっと抱くのよ有吉が。はあ、あかん。
そんで、「僕じゃダメなのかなあ」は最後につながっていくわけよ。切ないなあこれは……うむ……

考えるな感じろ系映画っぽいクリエイティブ感ある映画だけど内容はちゃんと謎解きしてたので、こういうの苦手な方もちょっと我慢して見てれば面白く見れるはず。最初で脱落するのはちょっともったいないので。


で、上記2作品に共通するのは、『カップリングの片方がゲイであること』『閉鎖空間の中で起きた出来事であること』なんだけど、これはそもそも設定自体がもうすでに軽くドリームなので話が矛盾せずうまいこと行っているわけだ。
反対側の道を歩いていたのが中学の同級生で久々に会って酒のんでたら酔っ払っていつのまにか家に持ち帰ってしまいセックルなんて無茶苦茶な展開ではない。これならホモになっても仕方ないかもな、って思わせる条件が揃ってるってことです。だから時間をかけて関係を築かなくても恋に落ちるし閉鎖空間の中だから世間体も気にしなくていい。分類するならば『男を好き』になるの方なんだろうな、と。男なら誰でもいいというわけでは無いけども、そういう環境が出来上がっている中で起きたことなので、そうならざるを得なかったということ。

頭の堅い私はこの好条件の中じゃないとうまいことホモが成立しなくなっちゃって、じゃあ例えば自分の好きなキャラのカップリングがそういう状況下にあるかっていうとそうじゃなくて、そうじゃないならそもそもこいつらセックルしないだろ? ああん? っていう考えがループしてセルフホモ鬱スパイラルしているわけなんです、ああ無情。


そんで、そんな鬱に拍車をかけたのが『ブロークバック・マウンテン
ゲイ映画界ではかなり有名でアカデミー賞をとったりなんかして普通に映画としても評価されてる作品。これも、見たいっていうギラギラ感と腐女子としてこの世に存在しているからには見なければならんという使命感があったので見た……邪……
イニス(攻)とジャック(受)という二人のカウボーイが主人公で、二人は題名にもなっているブロークバック・マウンテンっていう山で放牧を行う季節労働者として雇われるのでございます。その仕事は二人だけで山の中に入って季節がぐるりと巡るまで共同生活をしながら馬に乗って羊を大移動させるっていう仕事なんだ。あれ……? ここでもまさかの、俺とお前の閉鎖☆空間発生!!!!! さらに、ジャックはおそらくバイであるらしいというドリーム設定つき!!!!!
そしてある夜、ついに小さなテントの中でイニスとジャックは仕事仲間の一線を超えて肉体関係を持ってしまうのです。『片方にゲイの気がある』『閉鎖空間』おまけに『肉欲から始まる』までついてこれは好条件。そりゃそうなるよねっていう展開。ここまではホモフルコース。文句なしに萌える。
しかし、この映画の本編はここから!!! 二人が下山してからがブロークバック・マウンテンなのだっ!!!

お互いそっけない感じで別れるも、本当は未練タラッタラなふたり。しかし、普通の生活に戻ってからはどちらも結婚して子供まで出来る。このへんがやたらと現実だよな~って思って……
この時のイニスとジャックは閉鎖空間の中に閉じ込められていたから成り立っていた関係であって、一歩外に出たらやっぱり女とセックルして家庭に憧れがあって、っていう人間になるわけさ。やたら現実でしょ? でもそれがいい。

しかしだ、あるきっかけから話が動く。
ある日、イニスの家にジャックから手紙が届くんだ。おまえんとこ遊びに行くなみたいな感じの内容だったんだろう。(英語わからん) そんで、晴れて四年ぶりの再会を果たした二人はイニスの家の下でそりゃあもう情熱的なまさに野獣のようなキスを交わすわけです。これすごかった。迫真の演技。会えなかった時間が積もり積もって爆発した瞬間というか、家族ができた今でもお互いがお互いに未練を残していたんだなっていうのが染みるシーン……でもな、ばっちりイニスの奥さんに見られるわけよ。そりゃ家の下ですからね、そうなりますわ。
で、久々に再会した二人は彼らが出会った場所であるブロークバック・マウンテンにまた行くわけです。「釣りに行こう」なんつって、何日間か二人で山にこもる。これを一ヶ月に一回ほど定期的に続けるのね。で、お互いその日を楽しみにしてる。かわいいんだ、が奥さんは旦那が男と不倫してるわけで、しかもそれを気づいているわけでな。ジャックの奥さんも薄々気づいてるし家庭の関係はあんまり良くないし……ってな感じで、二人の再会からお互いの夫婦関係が悪くなり始める。雲行きが非常に怪しい……

ちょっと中略。どこまで説明したらいいかわからなくなってきた。

えっとこっからはネタバレになるけども、イニスがジャックの家に行くんだ。ジャックに手紙を送ったら「DECEASED(受取人死亡)」っていう赤いスタンプが押されて返ってきちゃうわけです。生前、ジャックは自分が死んだら骨をブロークバック・マウンテンに埋めてほしいって言っていて、イニスはそれを果たそうとジャックの両親に会いに行くわけだ。しかし、父親がそれを拒んだ。なんでかっていうとそれは、父親がゲイのことをよく思ってないからなんじゃないかと思う。で、イニスはジャックの部屋で彼と出会った時に着ていた服を見つけてそれをそっと抱くんですよ。ここ泣いたね、泣いた、めっちゃ。

そっから最後はぜひ映画で。TSU●AYA行ってください。

ちなみに、この映画は二人が出会ってから20年間の時間が描かれているそうな。うむ、長い。しかし、これだけの時間をかけないと『人として好き』にならないんじゃないかって思うんだ。なんというか、「なんやかんや人生長かったけど、やっぱり君がいないと僕はダメなんだ」的な。何があってもずっと心のなかにはあの日出会った彼がいて、女とうまくいきそうになっても何故か頭から離れなくて、家族をぶち壊して何もかも失って世間からは冷たい目で見られて、それでも彼に会いたい。ここまできてようやく一人の人間として好きなんだということを認められるようになるんじゃないかと思ったわけです。

『青い春』はその辺顕著で、主人公の九條と幼馴染の青木の関係がとてもいい。
彼らは不良グループの一員なんだけど、先輩もいなくなってこれからは自分たちの天下だ! ってことでやりたい放題していくわけだ。気に入らないやつがいればボッコボコにするし逆らってきたら屋上で度胸試しのゲームをする。このゲームはベランダゲームと言って、屋上の柵の向こう側に立って何回手を叩けるか競うゲームなんだけど、それで一番回数を叩いた九條がグループのリーダーになったという経緯。
そんなかんじで楽しく残された学生生活をエンジョイしている不良たち。ちゃんと毎日学校に来るんだよね。それはなぜかって、学校が彼らの天国だから、仲間がいるから。そういうとこ高校生っぽくてかわいい。
しかし、みんな一緒の楽しい学園生活も長くは続かない。一人が仲間を殺して警察送り、そんでその子にパシられてた子が付け上がって青木にちょっかい出したり険悪な感じに。また一人は自ら893の世界に飛び込んでいき、九條グループはバラバラになっていく。でも、当の九條はただ黙って屋上から外を見てるだけ。それに不信感を抱いた青木はどうにかしないと! と九條に言うも無視される。それで、青木はグレちゃうわけだ。髪型も変えて眉毛も剃って子分引き連れて学校に来る。
青木としては九條がやらないなら俺が学校を変える、とでも思ったのかもしれないけど、九條としてはまた仲間を一人失ったんだよね、一番なくしたくなかった幼馴染の青木を。表向きは反発していた青木も、実はただ九條に認めて欲しかっただけで、そこがなかなかうまく伝わて行かないんだよねえお互い意地はっちゃって。それがもどかしい。
で、最後は青木が九條にベランダゲームを仕掛けるんだけど……っていう。TSU●AYA行ってください。(再)

この二人もやっぱり長い時間一緒にいる。そんで実は二人の出会いのきっかけっていうのが青木の学校に九條が転校してきて、馴染めない九條を遊びに誘ってくれたのが青木だったっていう過去が後々出てくるんだ。泣けるね、これもラスト絶対泣く。憧れとか仲間意識とか一緒にいて楽しいとか、そんな感情が渦巻いてだんだんと離れがたい存在になっていくこの二人。これはすごい友情だよなあって思いましてん。九條も青木もお互いを『人として好き』っていう関係性が出てるんじゃないかと思うんです。だからこの二人がどんなに仲良くても甘い雰囲気になったり間違ってもセックルなんてしないんだろうなあって、そうわたしの腐女子脳が言っているのです。九條と青木をカップルとして成立させるには、こっからうっかり肉体関係を持ってしまうかもしくはさらに時間をかけて経験を重ねてそして色んな物を捨てていかないことには成り立たない、と思うわけなんです。


そう考えると、あとで上げた2つの作品のようにノンケを含む現実の世界ではまず『人として好き』になることが必要で、さらに関係を持たせようと思うと強引に行くかのんびり待つかしないんじゃないかって、そう考えたわけです。
そうするとね、もう今まで勝手にくっつけてたホモカップルが全部ダメになっていくんだよね~あかんやつ!!!
多分大体のカップリングは強制的に肉体関係を持たせればそれなりにうまいこと進んでいくんだけど、そうするとどうしても暗い話かギャグかになってしまうわけで。心情描写を含めて平和解決しようと思うとなかなか難しい。 

そんなこんなで色々余計なこと考えてたらいつの間にかただセックルしてるだけの話とか受け付けなくなってきてしまってだな。こんなのわたしじゃない。そしてセルフホモ鬱期間へ突入っつうわけさ……現実を見てしまった腐女子の悲しい末路だろ……

ということで、BLは夢と希望と欲望をギュウギュウに詰め込んだ、そもそもがパラレルワールドなんだなって、深く感じた次第です。BLはSFでファンタジーで彼らは夢の国に住んでるんだ。(自己暗示)

しかし赤裸々ホモ見たいなあ、なんて思った方にはぜひ『ブロークバック・マウンテン』を見ていただきたく、友情以上愛情未満の高校生いいなあと思ったら『青い春』を見ていただきたく。
そんでわたしはホモを求めて映画を見続けたいと思います。(?)